カギを握っている買取
雑誌の切抜きをショップスタッフに差し出して高額品を購入するといった消費行動の「起承転」が抜けて、いきなり「結」(支払い)に至るのではなく、他商品・サービスを比較し、スタッフとの会話を楽しみながら、時にはプライベートのおつき合いもする少しインティマシー(親密)な関係を築くといった経験に慣れていないのだ。
元来のお金持ちはラグジュアリーの経験値を親から自然に学んでいくが、ニューリッチの場合はそうではなく、おカネはあってもどちらかというと右も左もわからない「孤立」的な状況である。
ニューリッチにとってコミュニティを通じて、ラグジュアリーの経験値を積むことは魅力的である。
最後の「適度なクローズ性」であるが、新階層意識を持つニューリッチは誰でもアクセスできるオープンなコミュニティは望まないが、だからといって階層主義がプンプンする厳しいクローズなコミュニティも望んでいない。
「自分は特別な人たち」といった特権意識も享受しつつも、排他的でルールにしばられる関係はごめんといったところだろうか。
適度なクローズ性を持つメンバーシップニューリッチのコミュニティの今後有望なスタイルとして、「メンバーシップ」スタイルと、最近では、使用範国は広く、何の審査もなくレジですぐに会員カードが発行されるメンバーシップもあれば、年収や資産、仕事内容、マナー、家柄などを厳しく査定されて入会を許される名門ゴルフコースもある。
ニューリッチにとってはどちらのスタイルもフィットしないだろう。
誰でも会員になれるのはメンバーシップではないし、仕事や収入、家柄などで選別されるのも「余計なお世話」なのである(もちろん社会的地位を求めるニューリッチもいるが)。
ニューリッチがコミュニティに求めるのは、多少費沢をしても「格上」の生活を楽しもうとする価値観を実現できるコミュニティであること。
似たようなライフスタイル・価値観を持つ、信頼できるニューリッチの仲間とコミュニケーションができるコミュニティであること。
そのためには事業者はいくつかの点に留意しなければならない。
ただ経済的余裕の高い人たちを集めたコミュニティを形成するのではなく、「どんなライフスタイル・価値観を持つ人たち」のためのコミュニティであるかを明確にアピールする必要があるだろう。
例えば、かの「R本木ヒルズ」の「アカデミーヒルズR本木ライブラリー」いわゆる会員制のライブラリーである。
そこでは様々な分野の書籍を読書で。
きるだけでなく、気に入った本を購入したり、併設カフェで海外雑誌を眺めたり、ときにはネットワーキングパーティも開催される。
忙しい都市生活の中で「知」の充足に投資したいという、共通したライフスタイル・価値観を持つ人たちが集う、いわば「知」のコミュニティである。
読書や書籍購入であれば図書館や書店でも事足りるが、誰もが入れるオープンな空間であり、クローズ性がない。
今後は、「アンチエイジング」のコミュニティ、「イタリア旅行」のコミュニティなど、共通のライフスタイル・価値観を持つ人を対象とした適度なクローズ性を持つ「メンバーシップ」スタイルのコミュニティの台頭が期待できるだろう。
コミュニティに参加するニューリッチは、そこで「ラグジュアリーな経験値」を積むこと、そして同じようなライフスタイル・価値観を持つ「ニューリッチ仲間」を求めている。
コミュニティ側もパーティやイベントを開催することによる「場」を常に提供し、メンバー同士の交流を促す仕掛けをする必要がある。
もう一つが「SNS(ソーシヤル・ネットワーキング・サービス)」である。
友人・知人たちとの情報交換を楽しむコミュニティサイトの一種であり、最近では「ミクシィ」などが代表的である。
ならない。
よって匿名性の高いネット掲示板のような誹諒中傷も少なく、友だちの友だちということで安心して情報交換ができ、人脈も形成しやすいというメリットがある。
このSNSは個人の楽しみだけではなく、事業者のコミュニティづくりでも十分に活用することができる。
特定化したテーマでコミュニティを作り、限定されたメンバーに情報提供を行い、メンバー間の情報交換や交流を促す。
メンバーは誰かの友人・知人であるため、情報交換や交流も生まれやすい。
このようなSNSを活用して、ニューリッチをメンバーの友人・知人ルートで呼び込み、情報交換や交流を促アンチエイジングなど「特定化したテーマ」し、顧客として囲い込みを行う。
ポイントは旅行、財テク、に絞り込むことである。
何度も繰り返すが、近年華々しく台頭してきたニューリッチたちは、まだまだ「点」で存在している状態である。
これまでは会社名や役職を聞けば大体「年収水準」が推測できたものだが、独身か否か、夫婦共働きか否か、株式投資など財テクをしているか否か、ハードな成果主義か否かといった様々な主情条件で一人一人のリッチ度は大きく変わってくるため、一見して「ニューリッチ」を見分けるのは困難である。
それに経済的余裕があるからといって、ニューリッチはすべてに対してラグジュアリーを求めるわけではない。
ニューリッチの金銭感覚である。
衝動的とも思われる華やかな消費行動をとるニューリッチが増えていることは確かである。
その背景として、ニューリッチは「点」でしか存在しておらず、ラグジュアリーに関して相談相手や経験値が不足しており、テレビや雑誌などのマスメディア情報をもとに「孤立的」に消費行動をとっていることは否めない。
もちろん店舗や事業者側にとって突然「大枚」をはたいてくれる客は大歓迎ではあるが、別の視点から見ると、そういった消費行動をとる客はあくまでも予測のつかない(計画しにくい)衝動買いの客であり、安定収益源とはならないだろう。
ニュ1リッチが台頭してきたことで、今回大金を使ってくれた客が、おカネを一生懸命ためて頑張って来店(購入)してくれた客なのか(リピートはあまり期待できない)、それとも経済的余裕があり今後は得意客として囲い込むことができるのかを、見分けるのが非常に難しくなってきた。
ニューリッチ側も世間の評判や噂で大枚をはたいて消費(購入)してみたものの、「確かに金額が高いだけあって素晴らしいけど、これだけ高いおカネを払うだけの価値があるのだろうか?」ととまどいを持つ人も多い。
経済的余裕があるニューリッチが台頭したことで、確かにラグジュアリー市場には火がついた。
現段階では、お金はあるから世間で評判になっているしちょっと奮発してみようかといった「トライアル」レベルにすぎない。
いくら経済的余裕があったとしでも、消費する対象商品・サービスに心から満足しなければ次(リピート)はないのである。
ニューリッチのラグジュアリー・トライアルから、どうすれば「本当のラグジュアリー顧客」にランク・バイ・ステップで高めていき、ステップごとの満足感を確実に与えていき、ラグジュアリーをその人の生活に根づかせていく、手間隙のかかる企業努力である。
ニューリッチが消費を検討する上で、比較検討する対象は、ラグジュアリー商品・サービスだけの中ではない。
例えばマッサージを検討するとして、Mンダラ・スパ(Rイヤルパーク汐留タワ1)の3万円コースくる。
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